私は長らく引きこもりを経験していました。
一日中、ほとんどの時間を布団の中で過ごす毎日…… 食事習慣は乱れてカップラーメンばかりを食べていました。
「この生活ではヤバイ」そう思った時には、体重は20キロ以上増えていて体力面もボロボロの状態でした。コンビニまで10分歩いた程度で息切れが起こるほどです。
あなたは大丈夫でしょうか?

「引きこもりの過程で疲れやすくなってしまった」
「ずっと家にいるからか、常に何となく体がだるい・・・」
このような方もいるかもしれません。
引きこもりやニートが長期化すると、どんな人でも体力が低下します。 運動不足が続いて、日常的にだるさを感じてはいませんか?
引きこもりが続いて運動不足で悩むあなたへ、
- 引きこもりが運動して体力をつけるメリット
- 社会復帰に向けた体力づくりの方法
を紹介していきます。
引きこもりが体力づくりをするメリットとは?
あなたも「運動をした方がよい」ということは何となく理解していると思います。 まずは、運動をするとどのような良い事があるのかを見ていきましょう。
体力や筋力の維持、向上につながる
人の体の機能は、使われていない部分があった場合、驚くべき速さで低下していきます。 風邪で1週間ほど寝込んだだけでも、完治した直後は「疲れやすくなった」「体力が落ちた」と感じる人が多くいます。
例えば「歩く」という動作でも、足の筋肉だけを使っているわけではありません。 私たちは普段、腰や背中、腕など全身の筋肉を使って歩いています。 そのため、日常的に歩かなくなると、筋肉の減少や心肺機能の低下につながります。
身体機能の低下を防ぐために、普段から適度な運動を心掛けることが大切です。
糖尿病や高血圧などの生活習慣病の予防になる
適度な運動をすると体内の血液循環がよくなるため、心肺機能の向上が期待できます。 心肺機能が向上すると、高血圧や動脈硬化の予防につながります。その結果、脳梗塞や心筋梗塞などの命に関わる病気の予防にもなります。
また、運動によってエネルギーが消費されると血糖値も下がるため、糖尿病の対策にも有効です。
ストレス疾患の対策に効果的
運動には、メンタルヘルスの不調を改善する効果があります。 軽い運動でも、ストレス解消に効果的なセロトニンやエンドルフィンというホルモンが分泌されることが知られています。
セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれており、興奮を抑えて心身をリラックスさせる効果がある脳内物質です。セロトニンがしっかり分泌されることは、ストレスを感じにくい体づくりに直結します。
エンドルフィンは痛みの緩和や免疫力の向上、気分を良くする効果がある脳内物質です。
エンドルフィンの分泌量が減ると、ノルアドレナリンが増加してしまいます。そのせいで不安や焦りを感じやすくなり、睡眠障害などの症状が発生する場合があります。
また、運動で疲労感を得ることにより、体は眠りにつきやすくなります。このため、適度な運動はストレス疾患の対策にも有効です。
室内でできる!体力づくりにオススメな運動
ここまで解説してきたように、運動にはメンタルを前向きにする、疲れにくい体を作るといった効果があります。 引きこもりで悩んでいる人は、まずは「適度な運動」から社会復帰への第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか?
とはいえ、引きこもりが長期化している人にとって、外出という行為はハードルが高い場合もあるでしょう。 そのような人のために、まずは室内でできる運動を紹介していきます。
以下の運動には特別な器具や技術は不要で、自宅の好きな場所で取り組めます。
・ドローイン
・バックエクステンション
・もも上げ
・家事
これらについて詳しく見ていきましょう。
寝転んで簡単トレーニング!「ドローイン」
ドローインとは、お腹をへこませたまま呼吸を行う体幹トレーニングです。 腰痛に効果的で、インナーマッスルも鍛えられます。
ドローインの方法
- 仰向けに寝て、膝を90度に曲げる
- お腹が膨らむまで大きく息を吸い込む
- ゆっくり息を吐きながらお腹をへこませていく
- 限界まで息を吐き出せたら、その状態をキープする
- 10~30秒キープしたら元の状態に戻す
この流れを10回で1セットとして、3セット繰り返すとよいです。 初心者の場合、キープ時間は無理をせず10秒程度から始めましょう。
肩こりによく効く!「バックエクステンション」
バックエクステンションとは、背中の筋肉を鍛えるトレーニングです。 肩こりの改善や予防になり、姿勢がよくなる効果も期待できます。
バックエクステンションの方法
- うつ伏せになり、両手を頭の後ろで組み、足は肩幅の半分まで開く
- 息を吐きながら、無理のない高さまで上半身を上げる
- 上げた上半身を、その位置で数秒間キープする
- 息を吐きながら元の位置に戻す
この流れを10回で1セットとして、3セット繰り返すとよいです。
ダイエットにも効果的!「もも上げ」
もも上げとは、下半身と体幹を鍛えるトレーニングです。筋トレと有酸素運動が同時に行えるため、消費カロリーが高くダイエットにも効果的です。
もも上げの方法
- 両足をそろえて立つ
- 腕を前後に振りながら、太ももを床と平行になる高さまで上げる
この流れを30秒で1セットとして、3セット繰り返すとよいです。 足踏みの速度よりも、太ももをしっかり上げることを意識しましょう。
自立に向けたトレーニングと両立!「家事」
日常生活の中で毎日行っている家事も立派な運動のひとつです。掃除機をかける、風呂掃除、洗濯、料理などは基本的に立って行います。 重いものを運ぶ、しゃがむ、腕を伸ばすといった動作を頻繁に行うため、よい運動になります。
普段は家族に任せてしまいがちな家事ですが、家事スキルを身に着けることは一人暮らしの時にも役立ちます。 社会復帰に必要な自立へのトレーニングと体力づくりを両立できるのが、家事という運動です。
脱引きこもり、社会復帰への最短ルートは「朝の散歩」
体力が戻り始めると、室内の運動では物足りなく感じることがあるかもしれません。 そんなあなたにオススメしたい最高の運動、それが「朝の散歩」です。
朝の散歩では、午前の8時~10時までの時間帯に20~30分歩き回りましょう。
毎日行わなくても、週に1~2回の頻度で体に良い効果が得られます。 また、朝にしっかり起きて散歩をする習慣をつけることは、社会復帰した際の通勤の練習にもなります。
朝の散歩には次のような効果があります。
・体力づくり、健康維持につながる
・体内でビタミンDの生成が行われる
・リフレッシュ効果が高く精神的に安定する
ひとつずつ見ていきましょう。
体力づくり、健康維持につながる
散歩は有酸素運動に分類されます。散歩のように時間をかけて行う有酸素運動は、心肺機能を向上させ、体力づくりにも効果的です。
20分くらい歩くと、少しずつ体温が上昇します。じっくりと汗をかくことで、基礎代謝の向上効果も期待できます。
また、有酸素運動は20分以上継続することで、脂肪燃焼の効果が高まることが知られています。 散歩がダイエットや生活習慣病の予防につながるのはこのためです。
体内でビタミンDの生成が行われる
ビタミンDとは、「人体の免疫力を高める」「カルシウムの吸収効率を上げて骨を丈夫にする」といった働きをもつ栄養素です。 ビタミンDは20~30分の間、紫外線を浴びることで生成が促進されます。 そのため、日の出ている時間に散歩することが大切です。
紫外線は浴びすぎるとシミの原因となりますが、だからと言って全く浴びないのは体によくありません。
リフレッシュ効果が高く精神的に安定する
適度な運動と日光浴は、セロトニンの分泌を促してくれます。体のリラックス効果をもたらすセロトニンをしっかり分泌させることで、朝の目覚めがすっきりするだけでなく、うつ病の予防にもなります。
特に午前8時~10時に日光を浴びることが、セロトニンの活性化に効果的です。
朝の散歩は、適度な運動と日光浴を同時に行えます。毎日の習慣にすると1日を高いパフォーマンスで過ごす事ができるでしょう。
このように、運動や習慣を見直すことで、社会への復帰もしやすくなります。社会復帰や就労移行支援などについては、以下の記事でも詳しく解説しております。
まとめ|脱引きこもりは体力づくりからはじめよう
- 引きこもりやニートが長期化している場合、体力の低下は避けられない。 体力の低下は体を疲れやすくさせ、メンタルを病むきっかけとなるケースもある。 これらを予防するために、適度な運動は最適。
- 体力づくりとして、室内でできる運動やストレッチを行うことがオススメ。 その中でも「家事」は自立に向けたトレーニングも兼ねており、特に効果的。
- ある程度体力が身についてきたら、「朝の散歩」を習慣にしよう。朝の散歩には、体力づくり以外にも高いリフレッシュ効果があり、社会復帰した時も生活リズムを一定に保てるようになる。
この記事が、引きこもりや体力の低下で悩むあなたの一助になれば幸いです。