大人の発達障害

大人のASDの女性の特徴とは?悩みやすい5つの場面と対策を紹介

発達障害では、男性よりも女性の方がコミュニケーションを苦手とする特性が強く表れやすいとされています。そうした特性は、幼少期には目立ちにくいため、大人になってから初めて発達障害の診断を受ける女性も多くいます。

特にASDの女性は、同性同士の会話の輪に入ることが苦手だったり、結婚後に家事や育児を担う中で強いストレスを感じたりして、初めてASDを疑うパターンもあるようです。

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「社会に出てから、本音と冗談の違いが分からない……」
「家事などのマルチタスクが苦手で、ぐったりと疲れる……」
「ASDの特性に当てはまるけど、どこに相談すればいい?」

このような悩みを抱えている女性に向けて、

  • ASD(自閉スペクトラム症)の特徴
  • 大人のASDの女性によくある困りごとや悩み
  • 大人のASDの女性にオススメの対策
  • もし自分がASDの特徴に該当したら、どうすればいいのか

以上を解説していきます。

そもそもASD(自閉スペクトラム症)って何?

ASD(自閉スペクトラム症)

ASDは、発達障害のひとつです。自閉症やアスペルガー症候群、広汎性発達障害などの総称でもあります。発達障害は脳機能の偏りが原因と言われていますが、詳しいことは未だ解明されていません。

ASDには共通する特性はあっても、人それぞれ程度が異なるので、診断が難しいとされています。特に幼少期には気づかれにくく、大人になって初めて診断される方も多いです。

まずは、ASDの主な特性について紹介します。

コミュニケーションを取ることが苦手

ASDの方は、話し相手の言葉や表情などから、情報を読み取ることが苦手とされています。また、話している途中の表情の変化や言葉の抑揚があまりないため、自分の感情とは違う捉えられ方をしてしまうこともあるようです。

相手の言葉をそのままの意味で受け取ってしまったり、自分の考えを伝えることが苦手だったりするので、社会人になってからのコミュニケーションには特に苦労します。

強いこだわりがある・興味が限定されている

ASDの方には、特定の物事に対して強いこだわりや関心をもつ、あるいは興味の対象が限定されている方が多いです。興味や関心に偏りがあるので、集団で行動する際につまらなく感じてしまうことや、喜怒哀楽を共有できないことも多く、友好関係を築く上で苦労してしまいます。

加えて、毎日きちっと決まったルーティンがある方も多いです。それが乱されるイレギュラーに対して臨機応変に対応することが難しく、強いストレスを感じてしまうこともあります。

大人のASDの女性が悩まされやすい5つの場面

ASDには様々な特性があり、それによって日常生活で多くの困りごとが発生します。

ここでは特に、大人の女性が悩まされやすい5つの場面について、紹介していきます。

  • 雑談が苦手
  • グループ行動が苦痛に感じる
  • 家事や育児をうまくこなせない
  • 感覚に過敏、または鈍感
  • 危険な目に遭う可能性が高い

順に見ていきましょう。

雑談が苦手

ASDの方は、明確なゴールがない中でどんどん話が展開されていく「雑談」が苦手な傾向にあります。雑談は内容が具体的ではなく曖昧であったり、急に話題が変わったりするため、ASDの方にとっては対応が難しくなります。

雑談は多くの場所で、日常的に起こっているできごとです。たとえ短い時間でも、興味の無い内容を聞き続けて周りに合わせようとするのは、とても気疲れしてしまいますよね。

特に女性は、「話が合う」ことがきっかけで仲良くなるケースも多いです。そのため、雑談が苦手なことは、友好関係を広げていく上でネックになりやすいでしょう。

グループ行動が苦痛に感じる

ASDの女性の多くは、暗黙の了解や空気を読んで発言することが苦手なので、女性のグループや組織の中での立ち振る舞いに疲れてしまいます。

冗談を言い合ったり、言葉のニュアンスなどで察したりすることが女性のコミュニケーションには多いです。よって、言葉をそのままの意味で受け取ってしまうASDの方にとっては、大変なストレスになります。

「発言すると変な空気になってしまう」「相手のリアクションが思った感じと違う」といったコミュニケーション上のすれ違いが発生しやすく、精神的な負担になってしまうでしょう。

家事や育児をうまくこなせない

ASDの特性によって、家事や育児が困難になる場合もあります。特に育児は、イレギュラーなことが日常的に起こります。自分のルーティンを乱されやすいため、こだわりが強いASDの女性は強いストレスを感じるでしょう。

また、家事には同時並行で行う作業が多いです。ASDの方はマルチタスクを苦手としているケースが多いため、うまくこなせない可能性があります。曖昧な表現に対応することも苦手なので、例えば、料理をする際に参考にするレシピの中で、「適量」という記載に悩んでしまうこともあるでしょう。

ただでさえ大変な家事・育児が、ASDの女性にとってはより困難を極めることになります。結婚後、こうした役割を担う機会が多くなり、初めて悩む女性も少なくありません。

感覚に過敏、または鈍感

ASDの方は、「音・光・触覚・味覚などの感覚に過敏、または鈍感」という特性を持つ場合もあります。

そのため、例えば「特定の素材を使った衣服の肌触りが苦手で、着られる服が限られてしまう」といった悩みを抱える方もいます。

加えて、月経前や月経中のホルモンバランスの影響により、感覚過敏の特性が強くなって不快感が増すこともあります。自分の気持ちを伝えることが苦手な方も多いので、月経痛や体調不良を限界まで我慢して、体に大きな負担をかけてしまうこともあるでしょう。自分の体から発信される危険信号に、耳を傾ける意識をもつことが大切になります。

危険な目に遭う可能性が高い

自己主張が苦手なASDの女性は、危険なことに巻き込まれる可能性が高くなってしまいます。

「感情を言語化することが苦手で流されやすい」という特性が強いと、悪意のある人の口車に乗せられてしまうことや、興味のない異性から遊びに誘われた際に、強く断れないことがあります。

特に、悪意をもって近付いてくる人に対しては、あらかじめ対策を取っておくことがとても大切になります。詳しくは後述します。

発達障害による症状については、以下の記事でも詳しく解説しておりますので、あわせて読むことをお勧めします。

大人のASDの女性にオススメの対策4つ

上記のように、ASDの女性は、日常生活で様々な悩みを抱えることがあります。

ここでは、そうした困りごとの対策としてオススメの方法を4つ紹介していきます。

  • 傾聴力を鍛える
  • ひとりの時間をつくって休憩する
  • 家事や育児のやり方を見直す
  • 危険な場面や手口を知っておく

順に説明していきます。

傾聴力を鍛える

傾聴力とは、心理学のカウンセリングなどにも使われている「相手の話に耳を傾けて真摯な姿勢で話を聞く」コミュニケーション方法のひとつです。ビジネスシーンはもちろん、プライベートでも活躍する技術です。

具体的には、次のような方法があります。

  • 話し相手の方をしっかり見て体を向ける
  • 適度なオウム返しや相槌をする
  • 言葉を少し言い換える

これらを実践すると、たとえ話に共感していなくても、相手に「ちゃんと聞いてくれている」と思ってもらいやすくなります。

ASDの方は感情が表情に出にくかったり、アイコンタクトが苦手だったりするので、少しずつでも取り入れていけると、相手の反応も変わってくるかもしれません。

ひとりの時間をつくって休憩する

雑談に神経を使ったり、咄嗟の会話に頭を回転させたりと、ASDの方には気を使う場面が多く、日常的に疲労感が溜まってしまいます。自分の意見がなかなか言えずに流されてしまうストレスもあるでしょう。

そんな時は、少々強制的にでも、ひとりになれる時間をつくってみましょう。自然の豊かな場所に赴く、好きなものを食べるなど、気分をリフレッシュできる方法を探しておくのもいいですね。

家事や育児のやり方を見直す

先述のように、ASDの女性は家事や育児をうまくこなせない場合があります。特に、マルチタスクの連続である料理を苦手とする方は、少なくありません。

そんなときは、次のような工夫を試してみましょう。

  • 同時並行ではなく、1品ずつ作る
  • コンロはメインの料理のみ使う。副菜は電子レンジで簡単に作れるものにする
  • 品数を多くしすぎない

少々時間はかかってしまいますが、こうしたちょっとした工夫で、日々の料理が楽になるかもしれません。他にも、調理家電を活用する、既製品をうまく利用するなどの対策もありますね。

育児に関しては、ひとりで抱え込みすぎないことが何より大切です。パートナーや親族にどうしても頼ることができない方は、かかりつけの病院や自治体の相談窓口などを調べて、気軽に相談してみてください。「まだ大丈夫」「このくらいで……」とは思わず、動ける気力がある内に行動に移していきましょう。

ネット上で、ASDの特性を踏まえた家事・育児のアドバイスをしている人を探すのもオススメです。SNSで発信されている漫画やエッセイなどが参考になるかもしれません。

子ども目線では、やはり母親が気分良くいてくれることがなにより大切です。ご自身に合った方法で、自分自身を労りながら育児ができる環境を創っていきましょう。

危険な場面や手口を知っておく

「言葉通りに受け取ってしまいやすい」「流されやすい」といった特性があるASDの女性は、犯罪に巻き込まれやすい背景があります。

異性からの「少し休んでいこう」「近くに遊びに行こう」といった言葉を、そのままの意味に捉えてしまい、本人にその気がないにも関わらず意図しない場所に連れて行かれ、性被害に遭ってしまうことも少なくありません。

近年では、マッチングアプリやSNSの普及により、初対面の人と簡単に2人だけになれてしまいます。

男女のコミュニケーションは、直接的な言葉を使わずに曖昧な表現で意思確認をしていく場面も多いです。同意がない状態で迫ってくる相手が悪いのはもちろん前提として、危機感を抱かなければならない相手の言動は、常に意識に置いておきましょう。

特に、次のような言動には注意が必要です。

  • 人気の無い場所に行きたがる
  • いきなり車に乗せようとする
  • やたらと2人だけになりたがる

こうした相手には、しっかりと「NO」と伝えて否定する、人が多い場所でしか会わないなどの対策を取りましょう。自分の身を守る為にも、あらかじめ危険な場面や手口を知っておくことが、とても大切になってきます。

ASDの特徴に当てはまった場合の相談先

ASDの女性には、日常生活を送る上で様々な困難があると分かりました。

冒頭でも書いたように、ASDの女性は幼少期に診断を受けていないケースも多いです。しかし、誰にも相談しないまま問題をひとりで抱え込んでしまうと、日常的に精神的なストレスを強く受け続ける可能性があります。

特に女性は、ホルモンバランスの影響などもあり、二次障害のリスクが高くなってしまいます。二次障害とは、特性から日常生活にストレスを抱え、うつ病や適応障害などの病気を引き起こすことを言います。

自分自身の身を守る為にも、次のような機関に相談することがオススメです。

病院で受診する

大人の発達障害については、「精神科」や「心療内科」で相談できます。最近では「発達障害外来」などを設置している病院も増えているようなので、まずはお近くの病院を探してみましょう。

知らず知らずのうちに二次障害の症状が出ていて、日常生活が送りづらくなっているかもしれません。「ASDの特性に当てはまるかもしれない……」と思った方は、ネット上にある自己診断で完結するのではなく、しっかりと病院で受診することをオススメします。

また、精神科等には「精神科デイケア」というサービスも存在するため、リハビリを兼ねた通院をすることもできます。
以下の記事で詳しく解説しておりますので、あわせて読むことをオススメします。

発達障害者支援センターを利用する

発達障害支援センターとは、発達障がい者の支援を総合的に行っている専門的な機関です。福祉や医療などの機関と連携し、様々な相談や支援を行っています。

各都道府県に設置されていますが、自治体によって支援内容は変わってくるので、まずはお近くの機関を探してみましょう。

発達障害者支援センター・一覧│国立障害者リハビリテーションセンター

周りの人に打ち明けてサポートしてもらう

ASDの特性を知ってもらうことは、自分自身にとっても周りの人にとっても、日常生活を送る上でとても重要になります。何も知らない状態だと、双方に強いストレスがかかってしまうからです。

もちろん、発達障害はデリケートな問題であり、打ち明けることは人によっては簡単ではないでしょう。しかしASDの特性を知ってもらうことで、対策が取れたり息抜きの時間ができたりと、日常生活の質は変化していくかもしれません。

まずは、信頼できる人から少しずつ打ち明けて、サポートをしてもらえる環境に身を置くことが理想的です。

まとめ

  • ASDは発達障害のひとつで、自閉症やアスペルガー症候群、広汎性発達障害などの総称。対人関係が苦手で、興味の対象が偏るなどの症状がある
  • ASDの女性は雑談やグループ行動、家事・育児を苦手とする方が多い。また、言葉をそのままの意味で受け取ってしまいやすいため、危険な目に遭う可能性が高くなる
  • ひとりの時間をつくる、家事や育児のやり方を見直す等の対策で、負担を減らせる可能性がある。自分の身を守るため、危険な場面や手口をあらかじめ意識しておくことも重要
  • ASDの症状に悩んでいる方は、ひとりで抱え込むと二次障害の可能性が高まってしまう。まずは病院や支援機関、周囲の信頼できる人に相談することがオススメ

この記事では、大人のASD女性によくある困りごとやその対策、ASDの症状に悩んでいる方の相談先について解説しました。

ASDによる困りごとやストレスをひとりで抱え込み続けると、二次障害が引き起こされる可能性が高くなってしまいます。特に女性は、「友人との会話に苦痛を感じる」「危険な場面に遭いやすくなる」など、日常生活を送る上でとても大変な場面が出てきます。

ASDの特性に悩まされ、生きづらさを感じている方は、信頼できる人や機関に相談してみましょう。今後の生活が少しでも送りやすくなるかもしれません。

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