就労継続支援A型

就労継続支援とは?サービス内容やA型・B型の違いを徹底解説

就労継続支援は、障害により就労に困難を抱えている人が受けられる福祉サービスです。

就労継続支援では

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「働きたいけれど、すぐに一般企業で働くのは不安」

「長時間の就労は難しいけれど、働いて社会参加したい」

という方に向けて、必要な訓練や支援を提供しています。

この記事では、就労継続支援について解説します。

  • 就労継続支援とは
  • 就労継続支援A型・B型を利用するメリット・デメリット
  • 就労移行支援との違い
  • 就労継続支援を利用するまでの流れ

自分に合った支援を利用するために、就労継続支援について理解を深めていきましょう。

就労継続支援とは?

A型事業所、B型事業所

就労継続支援とは、一般企業での就労が難しい方に「働く場の提供」や「就労に必要な知識とスキルを身につけるための訓練」を行う、障害者総合支援法に基づいて行われる福祉サービスです。

身体障害・知的障害・精神障害(発達障害を含む)・難病のある方を対象に、継続して就労するための支援を行います。

就労継続支援には

  • 雇用契約を結んで利用する「就労継続支援A型事業所」
  • 雇用契約を結ばないで利用する「就労継続支援B型事業所」

の2種類があります。

障害者総合支援法とは

障害の有無にかかわらず、互いに人格と個性を尊重しながら安心して暮らすことのできる地域社会の実現のため、障害のある人が自分らしく日常生活と社会生活を送れるよう総合的な支援を行うこと

を目的としています。

この法律に基づいて、障害や難病のある方一人ひとりに合わせた支援や福祉サービスの提供が行われています。

就労継続支援A型とは 【A型事業所】

A型事業所は、今現在企業での就労は困難でも、雇用契約に基づいた就労は可能な方向けの福祉サービスです。

A型事業所の特徴

A型事業所では、雇用契約を結んで働くので、最低賃金以上の賃金を受け取ることができます。また、雇用条件によっては、各種社会保険に加入することも可能です。

一般就労とほとんど変わらない働き方ができるので、一般企業での時短勤務やフルタイム勤務が目指せます。

労働時間は週3日~5日、1日4~6時間程度の事業所が多く、なかにはフルタイムで働ける事業所もあります。

仕事内容はデータ入力やWEB制作、カフェ・レストランでの接客、お菓子の製造販売、農作業など事業所によって様々なものがあります。

障害に対する支援体制が整った環境で働けるので、一般就労を目指す方でだけでなく、 A型事業所で働き続けることを希望される方もいらっしゃいます。

A型事業所の対象者

A型事業所は、障害や難病のある18歳以上65歳未満の方が利用できます。

具体的には次のような条件に当てはまる方が対象になります。

  1. 特別支援学校を卒業して就職活動を行ったが、雇用に結びつかなかった方
  2. 就労支援事業を利用して就職活動を行ったが、雇用まで結びつかなかった方
  3. 就労経験はあるが、現在は働いていない方

※65歳以上の方については、65歳に達する前5年間、障害福祉サービスの支給決定を受けていて、65歳に達する前日において就労継続支援A型の支給決定を受けていた場合、引き続き利用することが可能です。

障害者手帳がなくても利用できる?

就労継続支援A型は、障害者手帳をお持ちでない方も「医師の診断書」や「自立支援医療受給者証」があれば利用することができます。

詳しい利用条件については下記の記事をご参考ください。

就労継続支援B型とは 【B型事業所】

パンをオーブンで焼く女性

B型事業所は、企業で就労すること、雇用契約を結んでの就労が難しい方に「働く場」を提供する福祉サービスです。

B型事業所の特徴

B型事業所は、長時間の就労が難しい方に向けたサービスのため、 A型事業所と異なり雇用契約を結ばずに働きます。

比較的短時間の軽作業を通じて生活リズムを整えたり、働くために必要な能力を身につけていきます。

仕事の成果に対する報酬は「工賃」という形で受け取ります。

工賃には最低賃金の適用がないため、A型事業所で受け取れる給与と比べるとかなり少なくなりますが、B型事業所では

体調に合わせて勤務日数や時間を調整できるので、週1日や1日1時間からなど自分のペースで自由に働くことができます。

仕事内容は農作業、製品の包装、衣服のクリーニング、清掃、お菓子の製造、データ入力などがあります。

A型事業所と同じ仕事内容もありますが、体調に合わせて作業日数や作業時間を少なくできたり、マイペースに作業に取り組めるといった点に違いがあります。

B型事業所は、社会参加の場として利用したり、働くことに慣れるためのトレーニングの場 として利用される方が多いのが特徴です。

B型事業所の対象者

B型事業所は、障害や難病のある方が利用できます。

年齢制限がないので、高齢の方も利用可能です。

具体的には次のような条件に当てはまる方が対象になります。

  1. 就労経験があり、年齢や体力面で一般企業に雇用されるのが困難となった方
  2. 50歳に達しているまたは障害基礎年金1級の受給者
  3. 1及び2に該当しない方で、就労移行支援事業者等による評価の結果、B型事業所で働くことが適切と判断された方

障害者手帳がなくても利用できる?

就労継続支援B型は、障害者手帳をお持ちでない方も「医師の診断書」や「自立支援医療受給者証」があれば利用することができます。

詳しい利用条件については下記の記事をご参考ください。

就労継続支援A型・B型で受け取れる収入はどれくらい?

給料・工賃:お金を受け取る女性

厚生労働省が行った調査によると、

A型事業所の平均賃金: 79,625円/月
B型事業所の平均工賃: 15,776円/月

となっています。

A型事業所では、勤務条件によっては月10万円以上の収入を得ることもできます。

地域や事業所によって受け取れる賃金や工賃の額に違いがあるので、事業所のホームページ等で、どれくらい収入が得られるのか確認してみましょう。

参照:厚生労働省|令和2年度工賃(賃金)の実績について

参照:厚生労働省|地域別最低賃金の全国一覧

就労継続支援の利用料はどれくらい?

福祉サービスの利用料は、サービスにかかった費用の1割負担が基本になります。

前年度の世帯収入に応じて「負担上限月額」が設定されているので、1か月の利用日数に関わらず、上限額以上の負担はありません。

この世帯収入は、利用者が独身の場合は本人のみ、既婚者の場合は本人と配偶者の合計です。家族と同居していても、親や兄弟の収入は対象ではありません。

そのため、就労継続支援事業所を利用している9割の方が無料で利用されています。

▼ 障害者の利用者負担

区分 世帯の収入状況 負担上限月額
生活保護 生活保護受給世帯 0円
低所得 市町村民税非課税世帯 *1 0円
一般1 市町村民税課税世帯 *2 9,300円
一般2 上記以外 37,200円

*1 3人世帯で障害基礎年金1級の場合、収入がおおむね300万円以下の世帯が対象
*2 収入がおおむね600万円以下の世帯が対象

▼ 所得を判断する際の世帯の範囲

種別 世帯の範囲
18歳以上の障害者
(施設に入所する18歳、19歳を除く)
障害のある方本人とその配偶者
障害児
(施設に入所する18歳、19歳を含む)
保護者の属する住民基本台帳での世帯

利用料の詳細に関しては、厚生労働省のホームページから確認することが出来ます。

参照:厚生労働省|障害者の利用者負担

就労継続支援の利用期間に制限はあるの?

就労継続支援A型・B型どちらも利用期間に制限はありません。

そのため、一般就労を目指すのではなく、事業所で働き続けることもできます。

ただし、A型事業所には年齢制限があるので、65歳未満までの利用になります。

65歳以上でも市町村からサービスの支給決定を受けている場合は利用を継続できますが、事業所によって定年となる年齢が異なるので確認しておきましょう。

就労継続支援A型・B型の違いを比較

A型事業所、B型事業所、どっち

A型事業所とB型事業所を比較すると次のようになります。

就労継続支援A型 就労継続支援B型
目的 働く場の提供
就労に必要な知識・スキルを習得するための訓練の提供
対象 一般企業での就労は難しいが、雇用契約を結んでの就労は可能な方 一般企業での就労と、雇用契約を結んでの就労が困難な方
年齢制限 原則18歳以上65歳未満 なし
利用期間 定めなし 定めなし
雇用契約 あり なし
就業日数
時間
週3日~5日、1日4時間~6時間の勤務になる事業所が多い 週1日や1日1時間からの利用など
体調に合わせて調整可能
賃金(工賃) 平均79,625円 平均15,776円
事業所数 3,757事業所 13,441事業所
利用者数
(令和2年9月)
89,351人 359,732人

参照:厚生労働省|令和2年社会福祉施設等調査の概況

就労継続支援A型・B型を利用するメリット・デメリット

就労継続支援A型・B型それぞれのメリット・デメリットを紹介します。

安定した就労をしていくために、A型事業所とB型事業所それぞれのメリット・デメリットを比較しながら、ご自身の目標や希望に合った支援が受けられる事業所を選択しましょう。

就労継続支援A型のメリット

A型事業所のメリットは主に次の2つです。

最低賃金以上の賃金が保障される

A型事業所では、最低賃金が適用されるので安定した収入を得ることができます。
労働条件によっては各種社会保険に加入できるので、保障が手厚くなることもメリットです。

一般就労に近い働き方ができる

障害に合わせた配慮を得ながら、一般就労に近い働き方ができます。
また、一般企業と変わらない業務が行える事業所も多いので、今までの経験を活かしながら働くこともできます。 業務に取り組みながらスキルアップすることも可能です。

就労継続支援A型のデメリット

A型事業所を利用するデメリットは主に次の3つ。就労移行と比較すると一般就労から遠い傾向にあります。

一般就労に対するモチベージョンが続かないことがある

支援体制が整っている環境で働けるため、居心地がよくなり一般就労への意欲が続かなくなってしまうことがあります。

スキルアップが難しい事業所もある

単純作業がメインの事業所もあるので、一般就労をされていた方やスキルアップを考えている方にとっては、物足りなさ感じる可能性があります。

就職に向けた訓練が受けられるわけではない

勤務時間を使って就職活動に関する訓練が受けられるわけではないので、就職活動の準備は勤務時間外に時間をつくって行うことになります。

また、事業所の業務内容によっては、希望する職種に関するスキルが学べないこともあります。

就労継続支援B型のメリット

B型事業所のメリットは主に次の2つです。

働き方が自由

B型事業所の作業時間は、体調に合わせて柔軟に対応してもらえます。
A型事業所ではある程度の仕事量が求められますが、B型事業所はマイぺースに作業できるので、就労に不安がある方でも安心して働き始めることができます。

無理なくステップアップができる

A型事業所より気軽に通所できるので、日中の生活リズムを整えること、就労に慣れることからスタートして、一般就労やA型事業所での就労に無理なくステップアップできます。

就労継続支援B型のデメリット

B型事業所のデメリットは次の2つです。

収入が少ない

工賃には最低賃金が適用されないので、A型事業所の賃金と比べるとかなり少ないです。
B型事業所では工賃を上げる取り組みがされていますが、工賃で自立した生活を送るのは難しいのが現状です。

単純作業が多い

B型事業所の作業内容は、体調を考慮して負担の少ない簡単な作業が多いため、一般就労につながるようなスキルを習得できていないと感じることもあります。

就労継続支援と就労移行支援との違い

就労系の福祉サービスには、就労継続支援A型・B型のほかに就労移行支援があります。

ここでは、就労継続支援と就労移行支援の違いを説明します。

就労移行支援とは

就労移行支援は、企業への就職を希望する方に向けて「就職に必要な知識・スキルを学ぶための訓練」と「就職活動の支援」を行います。

就労移行支援では、

  • 職業訓練
    ビジネスマナーや希望する職種に必要な知識・スキルを身につける
  • 就職活動のサポート
    応募書類の添削や面接練習、適性に合った職場探し、職場実習など
  • 職場定着支援
    就職後に生じた課題に対して、相談や会社との仲立ち行い職場定着をサポート

を受けることができます。

利用期間は原則2年間で、利用者はこの期間内に就職を目指します。

就労継続支援と違って、仕事を行うわけではないので賃金はもらえません。

就労継続支援と就労移行支援の違いは?

就労継続支援は「就労の場を提供する」のに対して、就労移行支援では「企業への就職を前提とした訓練を行う」という支援の目的に違いがあります。

また、就労継続支援では利用期間に制限はありませんが、就労移行支援は利用期間に制限がある点も異なります。

就労移行支援 就労継続支援
目的 一般企業に就職するための
訓練・サポート
働く場の提供と支援
サポート内容 ・就職に向けた訓練
就職活動の支援
・就職後の定着支援 
就労に必要なスキルを身につけるための支援
賃金(工賃) 原則なし A型:平均月収約79,000円
B型:平均月収約15,000円
年齢制限 18歳以上65歳未満  A型:18歳以上65歳未満
B型:制限なし    
利用期間 原則2年 定めなし

参照:【PDF】厚労省|障害者総合支援法における就労系障害福祉サービス

一般企業への就職を重視するなら就労移行支援

就労継続支援を利用しながら就職活動を行うことはできますが、基本的には勤務時間外の時間を使って準備することになります。

そのため、就職活動に集中したい方は、就労移行支援の利用がおすすめです。

就労継続支援A型・B型から利用してから、一般就労に向けて行動したいと思ったタイミングで、就労移行支援にサービスを変更することもできるので、ご自身の目標に合わせてサービスを活用しましょう。

就労継続支援の利用の流れ

ステップ:手続きの流れ

A型事業所・B型事業所を利用するまでの流れは以下の通りです。

  • 利用したい事業所を探す
  • 見学・体験
  • 事業所の決定
  • 障害福祉サービス受給者証の申請
  • 受給者証の交付・利用開始

順に解説していきます。

①利用したい事業所を探す

お住いの市町村の障害福祉課やハローワークに相談したり、インターネットで探すことができます。また、通院する病院・クリニックが事業所を紹介してくれることもあります。

安定して通所するためには、仕事内容や職場の雰囲気が自分に合っているか、無理せず通える距離にあるかを考慮して決めることが大切です。

②見学・体験

気になる事業所を見つけたら見学・体験の申し込みをしましょう。

事業所やスタッフの雰囲気、作業内容を確認できるので、利用後のミスマッチを防ぐことができます。

複数の事業所を見学する場合、見学・体験で感じた印象などをメモしておくと、事業所を決定するときの判断材料にできます。

③事業所の決定

見学・体験をした事業所の中から、利用したい事業所を決定します。

見学・体験時の印象や希望に沿った支援をしてもらえるかを考慮して、利用する事業所を決め、利用の意思を伝えます。

A型事業所を利用する場合、ハローワークから求人の紹介を受け、面接に行きます。

④障害福祉サービス受給者証の申請

就労継続支援の利用には、市町村が発行する「障害福祉サービス受給者(受給者証)」が必要です。

受給者証は、就労継続支援などの福祉サービスを受けるための証明書のことで、利用する事業所との契約の際に使用します。

利用する事業所が決まったら、お住いの市町村の障害福祉課に受給者証の申請をしましょう。

⑤受給者証の交付・利用開始

受給者証が発行されたら事業所と利用契約をして、通所開始です。

利用者一人ひとりの目標に合わせた支援が提供されます。

まとめ|就労継続支援とは

ここまで、就労継続支援について解説してきました。

  • 就労継続支援は障がい・難病がある人を対象に、継続して就労支援を行う福祉サービス
  • 就労継続支援にはA型とB型がある
  • A型は雇用契約を結ぶ。最低賃金以上の賃金が保障される
  • B型はマイペースに働けるが賃金(工賃)は安い
  • 利用料はどちらも9割の人が無料で利用している
  • 一般企業への就職を重視するなら就労継続支援より就労移行支援

就労継続支援A型・B型は、どちらも就労を支援してくれるサービスですが対象者、雇用契約の有無、受け取れる収入に違いがあります。

また、事業所によって、業務内容や支援内容も異なります。

安定した就労のためには、ご自身の状況や希望に合ったサービスを提供してもらえる事業所を選ぶことが重要です。

就労継続支援サービスを利用して働く経験を積みながら、自分に合った仕事や働き方を探していきましょう。

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