就労継続支援B型

就労継続支援B型とは?

就労継続支援は、障害者総合支援法に基づいて行われる福祉サービスのひとつです。

就労継続支援には「A型事業所」と「B型事業所」があります。

どちらのサービスも一般企業で働くことが難しい方に働く場を提供することによって、就労を支援しています。

  • 就労継続支援B型事業所について
  • B型事業所を利用するメリット・デメリット
  • B型事業所を選ぶ際の5つのポイント

について解説していきます。

就労継続支援B型事業所とは


就労継続支援B型事業所は、障害があるため一般企業で働くことが難しい方に対して、就労の場を提供する福祉サービスです。

就労継続支援事業所には「A型事業所」と「B型事業所」の2種類があります。

A型事業所とB型事業所の大きな違いは、「雇用契約の有無」と「対象年齢」です。

A型事業所では雇用契約を結ぶので、一般就労に近い形で働くことができます。

それに対してB型事業所は、就労に慣れるための訓練という側面が強いのが特徴です。

B型事業所では、障害や体調に合わせて働きながら、一般企業、A型事業所への就労に必要なスキルを習得できます。

また、サービスを利用できる年齢が、A型事業所では18歳以上65歳未満となっていますが、B型事業所では年齢制限がありません。

B型事業所の利用対象者

B型事業所は、障害や難病があるため、一般企業での就労や雇用契約を結んでの就労が困難な方が利用できます。

具体的には以下のような方が利用できます。

① 就労経験がある方で、年齢や体力の面で一般企業に雇用されることが困難となった方

② 50歳に達している方又は障害基礎年金1級の受給者の方

③ ①及び②に該当しない方で、就労移行支援事業者等により、就労面に係る課題等の把握が行われている方

障害者手帳をお持ちでない方も、B型事業所の利用を申請できます。

自治体によって要件が異なりますので、詳細はお住いの自治体の障害福祉課にご確認ください。

B型事業所の作業内容

B型事業所での作業は、短時間の軽作業が中心となっています。

事業所の職員は、利用者の方の個性や得意を引き出しながら作業のサポートを行います。

作業が負担になりすぎないよう利用者の方の障害特性や体調に合わせて、作業量を調整してもらうことができます。

【作業内容】

作業内容には次のようなものがあります。

・お菓子やパンの製造
・調理補助
・事業所が運営するカフェ・レストランのホール
・農作業
・データ入力
・WEB制作
・清掃
・クリーニング
・部品加工
・製品の包装、発送作業
・雑貨の製作・販売

作業のほかにレクリエーションや季節ごとのイベントを行う事業所もあります。

ほとんどの事業所は利用前に作業を体験できるので、作業が自分に合っているか試してみてから、利用を決めることをおすすめします。

在宅で利用できる?

B型事業所を利用してみたいけれど、通所が不安という方もいらっしゃるかと思います。

就労継続支援では、在宅でのサービス利用を希望する方で、市町村に在宅でのサービスによる支援効果があると判断された場合には、在宅でサービスを利用することもできます。

在宅に対応しているかは事業所によるので、在宅で利用可能な事業所を探してみましょう。

工賃はどれくらい受け取れる?

B型事業所では、作業の成果に対する報酬は「工賃」という形で支払われます。

工賃は、1日○○円のように定額で支給される場合や作業の出来高に応じて支払われる場合などがあり事業所によって異なります。

令和2年度の平均工賃は15,776円/月となっています。

雇用契約を結ばないB型事業所では、最低賃金の適用がないため工賃が低額なことが多いです。

国や各自治体では工賃を上げる取り組みが行われており、工賃は上昇傾向にありますが、A型事業所に比べると収入が少ないのが現状です。

B型事業所で働いて受け取れる収入は少ないですが、A型事業所や一般就労にステップアップするための訓練や社会参加の場として利用する方も多くいらっしゃいます。

参照:厚生労働省|令和2年度工賃(賃金)の実績について

利用期間の制限は?

B型事業所の利用期間に制限はありません。

そのため、自分のペースでゆっくり就労に慣れていくことができます。

また、年齢制限もないので、高齢の方も働くことができます。

同じ就労継続支援サービスであるA型事業所も、年齢に制限はありますが、利用期間に制限はないためB型事業所で経験を積んでからA型事業所で勤務することもできます。

利用料はかかるの?

就労継続支援などの福祉サービスには、世帯収入によって利用料の負担があります。

前年度の世帯収入に応じて負担上限月額が設定されているので、1カ月間に利用したサービスの利用回数に関わらず、上限額以上の負担はありません。

区分 世帯の収入状況 負担上限月額
生活保護 生活保護受給世帯 0円
低所得 市町村民税非課税世帯(注1) 0円
一般1 市町村民税課税世帯(所得割16万円未満※注2)
入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者を除く(注3)
9,300円
一般2 上記以外 37,200円

(注1)3人世帯で障害者基礎年金1級受給の場合、収入が概ね300万円以下の世帯が対象
(注2)収入が概ね600万円以下の世帯が対象
(注3)入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者は、市町村民税課税世帯の場合、「一般2」

【所得を判断する世帯の範囲】

種別 世帯の範囲
18歳以上の障害者
(施設に入所する18歳、19歳を除く)
障害のある方本人とその配偶者
障害児
(施設に入所する18歳、19歳を含む)
保護者の属する住民基本台帳での世帯

利用料の詳細に関しては、厚生労働省のホームページから確認することが出来ます。

参照:厚生労働省|障害者の利用者負担

利用方法

B型事業所の利用までの流れは以下のようになります。

①希望する事業所を探す

②お住まいの自治体の障害福祉課に利用申請をする

③事業所と利用契約を結んで、通所開始

①希望する事業所を探す

B型事業所を利用してみたいと思ったら、まずは自治体の障害福祉課に相談して近くの事業所を紹介してもらったり、インターネットを利用して検索してみましょう。

通院している場合は、病院やクリニックが事業所を紹介してくれることもあります。

気になる事業所を見つけたら、見学や体験をしてみましょう。

見学・体験での印象をもとに通いたい事業所を決めます。複数の事業を見ておくと、自分に合った事業所が決めやすくなります。

通いたい事業所が決まったら、事業所に利用の意思を伝えます。

②お住まいの自治体の障害福祉課に利用申請をする

B型事業所を利用するには「障害福祉サービス受給者証」が必要になります。

通所する事業所が決まったら、お住まいの地域の障害福祉課に利用申請をしましょう。

受給者証は、サービスを利用するための証明書で各市町村が発行します。受給者証が発行されると、福祉サービスが利用できるようになります。

受給者証は、障害者手帳をお持ちでない方も申請できます。

受給者証発行までの期間は自治体によって異なるので、申請時にご確認ください。

③事業所と利用契約を結んで通所開始

サービスの支給が決定されると受給者証が発行されます。

受給者証を受け取ったら、事業所と利用契約を結んで通所開始となります。

B型事業所を利用するメリット・デメリット

ここからは、B型事業所を利用するメリット・デメリットを紹介します。

B型事業所のメリット

【勤務日数・勤務時間が調整しやすい】

B型事業所は勤務日数や勤務時間の変更に対応してもらいやすく、ご自身の体調に合わせて日数・時間を自由に調整できるので、マイペースに働くことができます。

利用者の障害や体調を考慮して作業量も調整してもらえるため、心身ともに負担が少ない働き方ができます。

就労に慣れることからスタートできる

事業所の雰囲気はアットホームなところが多く、職員のサポートも手厚いので、就労に不安がある方も安心して利用を始めることができます。

また、B型事業所での活動を通じて社会参加したり、日中の生活リズムを整えることもできます。

【年齢制限がない】

B型事業所の利用には年齢制限がありません。そのため、年齢や体力的な理由から、一般企業で働くことは難しいけれど働きたいという高齢の方も利用できます。

B型事業所のデメリット

【工賃が安い】

B型事業所には最低賃金の適用がないため、工賃が低額です。

工賃が高めに設定されている事業所を選んだり、利用時間を増やす、作業効率を上げることでより多くの工賃が受け取れる事業所もありますが、工賃だけで生活費をまかなうのは難しいです。

【キャリアアップが難しい】

単純な作業が多いため、作業が物足りなく思えたり、一般就労につながるようなスキルを身に付けられないと感じることがあります。

また、作業内容や事業所の雰囲気によっては、やりがいを感じられないこともあります。

B型事業所とA型事業所、就労移行支援との違いは?

違いは何か

ここでは、B型事業所とA型事業所、就労移行支援との違いを説明します。

就労継続支援A型とは

就労継続支援A型は、一般企業での就労は難しいものの、雇用契約を結んでの就労が可能な方向けの福祉サービスです。

雇用契約を結ぶため、最低賃金以上の賃金をもらいながら働くことができます。

勤務日数・勤務時間は、週5日、1日4時間~6時間程度としている事業所が多いです。

勤務時間が比較的短時間なこと以外は、一般就労とほとんど変わりません。

また、フルタイム勤務ができる事業所もあります。

雇用契約を結ぶA型事業所では、安定して働けることが必要になります。

利用対象者

A型事業所は、18歳以上65歳未満の障害や難病がある方で、雇用契約に基づく就労が可能な方が利用できます。

具体的には以下のような方が利用できます。

① 就労移行支援を利用しても、企業での雇用に結びつかなかった方

② 特別支援学校を卒業して就職活動を行っても、企業での雇用に結びつかなかった方

③ 就労経験があり、現在は雇用関係がない方

所定の要件を満たす場合は、65歳以上の方も利用可能です。

就労移行支援とは

就労移行支援は、一般企業への就職に必要な訓練、就職活動の支援を行う福祉サービスです。

働く場である就労継続支援A型・B型事業所とは異なり、就労継続支援事業所は一般就労のためのトレーニングの場であるため、賃金は支給されません。

就労移行支援事業所では、就職に必要なスキルのトレーニングだけでなく、利用者に合った職場探しや就職活動のサポート、就職後の定着支援まで行ってくれるため、安心して就職活動に取り組めます。

利用期間は原則2年間となります。

利用対象者

就労移行支援は利用対象者は次のとおりです。

① 18歳以上65歳未満の方

※所定の要件を満たす場合は、65歳以上の方も利用可能

② 一般企業への就労を希望する方(一般企業への就職を希望する方で、就労可能と見込まれている方)

③ 現在企業との雇用関係がない方

※休職中や学生(大学生・専門学生)の方も所定の要件を満たす場合には利用可能

就労継続支援A型・B型と就労移行支援の違い

就労継続支援A型・B型と就労移行支援の違いをまとめると以下のようになります。

就労継続支援B型 就労継続支援A型 就労移行支援
目的 働く場の提供就労に必要な知識・スキルを
習得するための訓練の提供
一般企業に就職するための訓練・支援の提供
対象者 一般企業での就労と雇用契約に基づく就労が難しい方 一般企業での就労は困難でも、雇用契約に基づく就労は可能な方 一般企業への就職を希望する方
雇用契約 なし あり
賃金 支給額 平均15,776円
(令和2年度)
平均79,625円
(令和2年度)
勤務
日数・時間
週1日や1日1時間からの利用など体調に合わせて調整可能 週3日~5日、1日4~6時間程度の勤務になることが多い 週1日から利用を開始できる
年齢制限 年齢制限なし 原則18歳以上
65歳未満※
原則18歳以上
65歳未満※
利用期間 定めなし 原則2年間
利用料金 前年度の世帯収入による
事業所数 13,355事業所 3,929事業所 3,301事業所
※一定の条件を満たす場合は、65歳以上も利用可能
65歳以上の方については、65歳に達する前5年間(入院その他やむを得ない事由により障害福祉サービスに係る支給決定を受けていなかった期間を除く)引き続き障害福祉サービスに係る支給決定を受けていたものであって、65歳に達する前日において支給決定を受けていた方に限り対象

参照:厚生労働省|令和2年社会福祉施設等調査の概況

B型事業所を選ぶ際の5つのポイント

ここからは、B型事業所を選ぶ際のポイントを紹介します。

1.作業内容が合っているか

作業内容が合っていないと、通所が続かない原因になります。利用前に実際に作業を体験して、続けられそうか確かめてみましょう。

自分に合っているまたは、興味が持てる作業内容の事業所を選ぶようにすると続けやすくなります。

B型事業所の作業内容には様々なものがあるので、自分に向いている作業ができる事業所を探してみましょう。

2.事業所の雰囲気はどうか

事業所の雰囲気が自分に合っているかも重要なポイントです。

作業内容が合っていたとしても、事業所の雰囲気が合わなければ、通うことが苦痛になり、休みがちになってしまうこともあります。

見学・体験時に利用者の方や職員の対応の仕方など事業所の雰囲気を確認して、ストレスが少ない環境で働けそうか判断しましょう。

事業所の雰囲気が良く、職員や利用者の方々と一緒に働いてみたいと思ったら、前向きに利用を検討してみましょう。

見学だけではなく体験も行うことで、1日の作業の流れや作業中・休憩時間の様子を知ることができますよ。

3.通いやすい範囲にあるか

継続的に通所するためには、事業所が通いやすい範囲にあることもポイントです。

あまりにも自宅から遠いと通所がストレスになることがあります。

毎日通所することを考えると、無理せず通える範囲にある事業所を選ぶのがおすすめです。

送迎を行っている事業所もあるので、希望される方は送迎サービスの有無を聞いてみましょう。

また、事業所のなかには在宅で利用できるところもあります。

通所が難しい、ストレスになるという方は、在宅利用できるかどうかで選ぶのも判断基準のひとつです。

4.希望する働き方や支援に対応してもらえるか

通所を続けるには、利用時間を調整をしてもらいやすいか、目標に合わせた支援をしてもらえるか等、希望する働き方や支援に対応してくれるのかも大切です。

あらかじめ希望を伝え、利用開始後の支援について話し合っておきましょう。

また、工賃が多くもらえることがモチベーションにつながるという方は、工賃の支払方法も確認しておきましょう。

出来高制の事業所では作業能力、作業量に応じて、頑張った分だけ工賃が支払われるので、より多くの工賃を受け取ることができます。

5.利用者の就職実績の有無

B型事業所を利用してステップアップを考えている場合は、利用者の就職実績や就労移行支援、A型事業所への移行率も確認しておきましょう。

実績が豊富にある事業所は、サポート体制が充実していると考えられます。

B型事業所からのステップアップ

最後に、B型事業所からのステップアップ方法について紹介します。

令和元年度の一般就労への移行割合をみると、就労移行支援を利用して一般就労した方は54.7%、就労継続支援を利用して一般就労した方は、A型事業所で21.5%、B型事業所で13.2%となっています。

統計の中には、就労継続支援事業所で働き続けたいという方も含まれていますが、就労移行支援のほうが就労継続支援と比べると就職率が高くなっています。

参照:厚生労働省|障害者の就労支援について


B型事業所からのステップアップとしては、次のような方法が挙げられます。

・A型事業所で働く
・就労移行支援を利用して就職を目指す
・B型事業所に通所しながら就職活動をする

A型事業所で働く

B型事業所の作業に慣れて、毎日安定して通所できるようになったらA型事業所での勤務を検討してみましょう。

A型事業所では、週20時間以上の勤務になることが多いので、継続して働くことが一般就労への自信につながります。

また、最低賃金が保障されているので収入を増やすことができますし、勤務条件によっては月10万円以上の収入を得ることもできます。

就労移行支援を利用して就職を目指す

就労移行支援では、事業所が一般就労に向けて全面的に支援してくれるため、安心して就職活動が始められます。

就労移行支援事業所を利用することで、就職に必要な知識・スキルを身に付けられるだけでなく、利用者一人ひとりに合った職場探しや就職活動のサポートもしてくれるので就職しやすくなります。

事業所によって就職率が異なるので事業所を決める際は、訓練内容と合わせて就職率も確認しておきましょう。

B型事業所に通所しながら就職活動をする

B型事業所に通所しながら、自分で就職先を探すこともできます。
この場合、B型事業所への通所と就職活動を並行して行わなければならないため、心身ともにかかるストレスも大きくなります。体調の変化に注意しながら就職の準備を進めていく必要があります。

就職することは大きな目標のひとつかと思います。

しかし、最も大切なことは「就職すること」ではなく「継続して働き続けること」です。

焦って就職先を決めると、企業とのミスマッチが起き、就労が続かなくなってしまう可能性もあります。

事業所の職員や支援員の方と相談しながら、焦らず自分に合った就職先を探していきましょう。

まとめ

ここまで、就労継続支援B型事業所について解説してきました。

  • B型事業所は、障がいや難病がある方が就労する福祉サービス
  • B型事業所を利用するには「障害福祉サービス受給者証」が必要になる
  • B型事業所からステップアップして一般就労した方は13.2%

B型事業所は、障害や体調に合わせてマイペースに働くことができるので、日中の生活リズムを整えたい、将来の就職に向けて就労のトレーニングを積みたいという方におすすめです。
B型事業所のほかにも就労系の福祉サービスには、A型事業所や就労移行支援もあるので、ご自身の希望に合わせて支援を活用してみてください。

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