大人の発達障害

ADHDに営業職は向いている?向いていない?働くコツも詳しく解説!

「ADHD 向いている仕事」で検索すると、営業職がたびたび紹介されています。これって本当なのでしょうか?

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「ADHDは営業の才能があるって本当?」
「転職を検討しているけど、私に営業は合っているのかな?」
「営業職で働きたいけど、どうすればいいかわからなくて不安……」

障がいを持ちながら働くというのは、本当に大変なことです。できる限り負担のない環境で、能力を発揮できる仕事に就きたいですよね。

このような疑問をお持ちの方へ向けて、

  • ADHDが営業に向いている点、いない点
  • ADHDを持つ人が営業職求人を選ぶポイント
  • 営業の現場でできるADHDをカバーするための工夫
  • おすすめの転職エージェント

以上を詳しく解説していきます。

営業職とはどんな仕事?

「営業」とは、お客様が持つ課題に対して自社の商品やサービスを用いた解決策を提案し、購入につなげる活動のことです。

来店した人の購入をサポートする販売職と違い、商品知識のない人がターゲットであることも多いため、「ニーズをヒアリングする力」「適切な商品を見極める知識」「問題解決能力」が重要となります。

営業には様々な種類があり、顧客対象、営業形態、営業手法などによって分類されます。

顧客対象別 法人営業 企業を対象にした営業。経営層を相手にすることもあり、能力やビジネスマナーが高い水準で求められる
個人営業 消費者や家庭を対象にした営業。対人関係が重要視され、コミュニケーションスキルや人柄の良さが求められる
営業形態別 メーカー営業 自社製品を取り扱ってもらえるよう、他社や消費者へ提案する営業。製品や業界に対して深い専門知識が必要
商社営業 メーカーから仕入れた商品を販売する営業。多くの商品を取り扱うため、広い知識が必要
営業手法別 新規開拓営業 新たな取引先を開拓していくための営業
ルート営業 現在取引をしている顧客に対してフォローや情報提供、他のニーズがないか確認をする営業
訪問営業 アポイントメントを取り付け、顧客のもとへ出向く営業
飛び込み営業 アポイントメントなしで、顧客のもとへ訪問する営業
内勤営業 自社オフィス内で行う、メールや電話を使った営業。電話だけで契約まで完結させる「テレコール営業」、訪問営業の約束を取り付ける「テレアポ営業」などがある
顧客対象別 法人営業 企業を対象にした営業。
経営層を相手にすることもあり、
能力やビジネスマナーが高い水準で求められる
個人営業 消費者や家庭を対象にした営業。
対人関係が重要視され、
コミュニケーションスキルや人柄の良さが求められる
営業形態別 メーカー営業 自社製品を取り扱ってもらえるよう、
他社や消費者へ提案する営業。
製品や業界に対して深い専門知識が必要
商社営業 メーカーから仕入れた商品を販売する営業。
多くの商品を取り扱うため、広い知識が必要
営業手法別 新規開拓営業 新たな取引先を開拓していくための営業
ルート営業 現在取引をしている顧客に対して
フォローや情報提供、
他のニーズがないか確認をする営業
訪問営業 アポイントメントを取り付け、
顧客のもとへ出向く営業
飛び込み営業 アポイントメントなしで、顧客のもとへ訪問する営業
内勤営業 自社オフィス内で行う、メールや電話を使った営業。
電話だけで契約まで完結させる「テレコール営業」、
訪問営業の約束を取り付ける「テレアポ営業」などがある

「ADHDは営業職で才能が開花する」って本当?

結論から申しますと、「ADHDを持つ人と営業は相性が良いことも、そうでないこともある」と言えます。

歯切れの悪い表現になってしまいましたが、前述のとおり営業職の環境は幅広く、ADHDも人によって発現する症状は様々であるためです。

ADHD(注意欠如・多動症)とは、先天的な脳神経の不具合によって能力に著しい偏りが起こる発達障害の一種です。「不注意」「多動性」「衝動性」といった特性があり、集中力が続かなかったりじっとしているのが苦手なことから困難を抱えてしまいます。

しかしその反面、能力の突出している部分を適切な環境で活かすことができれば、本人の生きづらさが解消するだけでなく、人並み以上の成果を出せる可能性も秘めています。

ADHDの特性と営業の特徴がマッチする点・しない点を以下にまとめましたので、あなたが営業職に向いているか、チェックしてみましょう。

ADHDが営業に向いている点

「ADHD」と「営業」がマッチするポイントには、以下の6つが挙げられます。

  • ADHDは行動力がある
  • ADHDは社交性が高い
  • ADHDは専門性を高められる
  • ADHDは発想が豊か
  • 営業職は体を動かす
  • 営業職は自分のペースを維持しやすい

順に見ていきましょう。

ADHDは行動力がある

ADHDの衝動性は、「思いついたらすぐ行動できる」とも言える長所です。行動力やスピード感が求められる場面では、周囲を巻き込むアクティブさが重宝されます。

また、うまくいかないことがあっても果敢に何度でも挑戦できるタフさも、営業に活かせるでしょう。

ADHDは社交性が高い

ADHDを持つ人には、初対面でもためらわずにかかわれる社交性の高さがあります。

相手に距離を感じさせない雰囲気があるため、特に第一印象が優れているところも営業向きです。テンポよく話ができ、専門的な会話が続いても相手を飽きさせません。

ADHDは専門性を高められる

「興味対象に対してはとことん打ち込める」ことも、ADHDの特性のひとつです。

好きなものや関心のある分野が仕事になれば、セールスポイントをより魅力的に伝えることができます。深い専門知識の習得が求められる、営業職にぴったりです。

ADHDは発想が豊か

ADHDを持つ人は、様々なものへ同時に意識を向けるため発想が豊かであると言われています。

既成概念にとらわれない革新的なアイデアは、問題が行き詰った場面を解決へと導くはずです。企画立案が伴う案件などで、特に役立つでしょう。

営業職は体を動かす

営業には様々な手法がありますが、顧客のもとへ出向く方法が主流です。

デスクワークと違い体を動かしている時間が長いため、ADHDの症状である「多動性」をカバーできます。また、働く場所が1日のうちで複数回変わるため、集中も保ちやすいでしょう。

営業職は自分のペースを維持しやすい

会社にもよりますが、「成果がきちんと出ていれば裁量の範囲が広い」というのも営業職の魅力です。車で小休憩を取る、顧客先で雑談するなどが比較的自由で、自分のペースを維持することができます。

また、少人数行動がメインになるため、職場での複雑な人間関係からも距離を置きやすいでしょう。

ADHDが営業に向いていない点

「ADHD」と「営業」のマッチしないポイントには、以下の3つが挙げられます。

  • ADHDは勘違いや忘れ物が多い
  • ADHDは双方向のコミュニケーションが苦手
  • 営業はマルチタスクを求められる

順に見ていきましょう。

ADHDは勘違いや忘れ物が多い

ADHDの症状である「不注意」の影響で、予定や時間を勘違いする、持参物を忘れるなどの失敗が想定されます。

取引先との関係性が重要な営業において、こうしたミスが多いと顧客の信頼を損ねてしまい、業績悪化への直接的な原因となりかねません。

ADHDは双方向のコミュニケーションが苦手

ADHDを持つ人は知識レベルが高い反面、相手の理解度に合わせられず話が専門的になりすぎたり、一方的にしゃべってしまうことがあります。

また、「衝動性」により思いついたままに発言してしまい、かみ合っていない返答や失言をすることも多いです。

営業はマルチタスクを求められる

営業は、短期間のうちに多数の顧客とやり取りする必要があり、それぞれの準備や手続きを並行して行わなければなりません。

ADHDを持つ人は、優先順位をつけて段取りよく作業することを苦手としており、マルチタスクが求められる場面ではパニックに陥りやすいです。

ADHDが営業職を選ぶ時のポイント

同じADHDでも、どのような症状が強く現れるかは人によって大きく異なります。そのため自分が営業に向いているかどうか、自己分析して見極めることが大切です。

ADHDを持つ人の中で、不注意傾向が強い場合は「1つのミスが大きな損失へつながらない」こと、多動性・衝動性が強い場合は「環境の変化があり、自分のペースを保てる」ということを意識して職場を選ぶと良いでしょう。

ただし、発達障害はいくつかの種類を併発している場合もあります。

ADHDだけでなくASD(自閉スペクトラム症)やコミュニケーション障害の症状がある人は、営業職よりも比較的マニュアルがしっかりしている事務職や技術職、工場勤務やトラックドライバーなども検討してみることをおすすめします。

ADHDを持つ人が営業職で働きたいときに注目すべきポイントを、以下に5つまとめました。ぜひ、仕事選びの参考にしてください。

営業で扱う商品を好きになれるか

ADHDを持つ人が特定のことに高い集中力を発揮するのは良いことですが、「興味対象以外は全く手を付けられない」という悪い面でもあります。

その事業を好きになることができ、自信を持って商品を売れるような会社を選びましょう。

業務に事務が含まれるか

会社によっては、請求書や契約書作成、清算などの事務処理も営業職の仕事に含まれる場合があります。

事務関係が不得意であれば、事前に業務範囲を確認しておきましょう。

営業活動が個人制かチーム制か

1人で活動するイメージが強い営業職ですが、チーム制を取っている職場もあります。

個人活動は自由である一方、すべてを自分でこなさなければなりません。チーム制であればダブルチェックでミスを防いだり、苦手な作業を人に頼むことができるため、自分にはどちらが適しているか考えましょう。

業務に車の運転が必要か

営業職の求人では、応募要件に「自動車運転免許必須」となっているケースを散見します。

1つのミスで重大な事故が起きる車の運転は、ADHDと非常に相性が悪いため、応募目的で新たに免許を取得するのは避けるべきです。免許必須ではない求人を選ぶか、ほかの交通手段で代替できないか交渉してみましょう。

営業手法は自分に合っているか

営業手法は、その職場の環境を決める大きな要素のひとつです。例として、ADHDを持つ人へおすすめの営業手法を3つ紹介します。

  1. 新規開拓営業
    持続した関係を築くのが苦手な人におすすめ。第一印象の良さや行動力、発想力を活かせる
  2. ルート営業
    歩合制でなく固定給制のところが多いため、ノルマを厳しく問い詰められない傾向がある。成果のムラが大きくても働きやすい。顧客と長期的な付き合いになる点は注意
  3. 内勤営業
    試行回数が多いためミスをカバーしやすい。ただし、デスクワークで単調になりがちなため、多動性が気になる人にはあまり向かない

ADHDが営業マンとして働く上での工夫

出勤するビジネスマン

営業の現場でできる、ADHD特性をカバーするための工夫をご紹介します。

ここに挙げたこと以外にも、自分に合った方法はなんなのか試行錯誤しながら見つけてみてくださいね。

ミスをする前提で動く

ミスや忘れ物をするのはADHDの特性であり、気をつけて治るものではありません。

予備を用意する、ダブルチェックをお願いする、そもそも不得意な作業は別の人に頼むなど、人やツールを活用しながら、自分が失敗をしてもフォローできるような環境を整えましょう。

ADHDのスケジュール管理については、こちらの記事で解説しています。

双方向のコミュニケーションを意識する

ADHDを持つ人は双方向のコミュニケーションが苦手とされていますが、トレーニングによって能力を補うこともできます。

誤解を与える表現をしていないか意識し、聞かれていることに答えるようにしましょう。表情や声色などから相手の様子を伺い、質問の意図を考えられるとより効果的です。

顧客情報は資料にまとめる

ワーキングメモリー(記憶処理能力)の容量が小さいというのも、よくあるADHDの特徴です。

営業では無数の人と関係を築くことが求められるので、担当者や納品している商品情報、特徴的だった会話、地図などを取引先ごとにまとめておくと役立ちます。

こまめに気分転換をする

ADHDを持つ人は、集中力を長く保つのが難しかったり、逆に過集中で自身の体調の変化に気づけなかったりします。

業務が長時間続くときは意識して区切りを作り、気分転換を行いましょう。

ADHDが営業職に就きたいときの転職エージェント3選

ADHDを持つ人が利用できる、おすすめの「障がい者特化型転職エージェント」をご紹介します。以下で取り上げている3つは障害者求人をのみを扱っているため、障害者手帳を取得している方が対象です。

手帳を持っていない方が一般の大手エージェントを利用する際も、自分の特性をアドバイザーへ伝え、働き方などを相談してみると良いでしょう。

ADHDを持つ人が営業で働く場合、たとえ個人活動が多い職場であっても、上司が適切に特性を理解してコミュニケーションを密に取れるような環境が望ましいです。

応募企業の雰囲気や内部事情、オープン就労とクローズ就労どちらが良いか、障害者雇用か一般雇用かなどをアドバイザーと話してよく考えておきましょう。

障がい者の働き方について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

LITALICO仕事ナビ

各種障がい者向けサービスを提供する「リタリコ」による転職支援サイトです。国内最大級の障害者求人を保有しています。就労移行支援事業所や就労継続支援事業所も紹介されているため、幅広い視点から働き方を考えることができます。

LITALICO仕事ナビを通して就職・転職に成功した人のインタビューも掲載されており、就活を始める前の準備期間に利用するのもおすすめです。

LITALICO仕事ナビ

マイナビパートナーズ紹介

「マイナビ」系列の求人紹介サービスです。運営会社はマイナビグループの特例子会社であり、障がい者とともに働くノウハウを豊富に持っています。

「障がい者が職場に定着し、安心して働ける」ことに重きを置いているため、キャリアカウンセリングや入社前・入社後のサポートなどきめ細やかなサービスが魅力です。

マイナビパートナーズ紹介

dodaチャレンジ

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一人ひとりの状態を把握し、それに合わせて求人元と条件を交渉する、「求人をつくりだすスタイル」を得意としています。

dodaチャレンジ

まとめ

  • ADHDの「行動力」「社交性」「特定の分野への集中力」は営業と相性が良く、営業職の「体を動かす」「自分のペースを保ちやすい」という特徴もADHD向き
  • ただし、「勘違いや忘れ物が多い」「双方向コミュニケーションが苦手」「マルチタスクが苦手」というADHD特性には注意が必要
  • ADHDを持つ人が職種を選ぶ際は、しっかり自己分析をした上で求人と向き合い、自身の特性と条件が合うかどうか考えることが大切
  • ADHDを持つ人が営業職に就くときは、「ミスする前提で動く」「双方向のコミュニケーションを意識する」「顧客情報は資料にまとめる」「こまめに気分転換をする」などの工夫をしてみよう
  • 就職活動をするなら、アドバイザーへADHDを持っていることを伝え、営業職求人の内部事情などを聞いておくのがおすすめ

いかがでしたか?

「ADHDの適職はこれ!」という一般論も参考にはなりますが、最終的には「あなたに適しているかどうか」が最も重要になります。しっかり自己分析と情報収集をして、あなたに合った仕事を探していきましょう。

この記事が、少しでもそのお役に立てたのであれば幸いです。

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