私は本当にダメな人間です。
過去に私は仕事から逃げ出し、再就職のための活動からも逃げて、2年以上引きこもりのニートを経験しました。引きこもりニートの当時は、「そろそろ就職に向けて動かなければマズイ」そんなことを考えながらも、就職活動や仕事に対してとてつもない恐怖心がありました。
ですが、そんな私でもハローワークを利用したことで、安心して就職できました。今はハローワークから紹介された仕事に巡り合い、この記事を書いています。
「ニートがハローワークへ行くと怒られそう……」
「ハローワークはニートの自分が利用してもいいの?」
今、脱ニートを目指しているあなたは、そんな不安でハローワークから足が遠ざかっていませんか?
ハローワークは「求人を検索して会社に応募する」というだけの機関ではありません。仕事を探したいと思う人であれば、年齢や経歴を問わず誰でも利用できる場所です。
もちろん、ニートでも大丈夫です。ハローワークで受けられる就職に向けた支援もたくさんあります。
- ハローワークはどんな場所なのか
- ハローワークの雰囲気や職員の対応
- ハローワークを利用する際の流れ
- 引きこもりやニートがハローワークで受けられる支援
以上を解説していきます。
この記事を通してハローワークのことをよく知り、疑問や不安が解消されることが、ニートが続いて悩んでいるあなたの一助となれば幸いです。
ハローワークはどんな場所?
ハローワークの正式名称は「公共職業安定所」と言います。厚生労働省が運営している機関で、仕事探しや雇用に関わる総合的なサービスをすべて無料で行っています。
ハローワークが利用できる時間は、8:30~17:15が一般的です。例外的に、一部施設では平日夜間と土曜日に利用できる場合もあります。 服装は私服で問題ありません。私はいつもジャージ姿でハローワークへ行っていました。
ハローワークが初回の場合、特に必要なものはありません。相談窓口に筆記用具は常備されているため、強いて上げるならメモ帳くらいでしょう。また、ハローワークには利用者の状況に応じた専門窓口が設置されています。
35歳未満を目安に正社員を目指す人は「わかもの支援コーナー」、専門学校や大学などを卒業して3年以内(いわゆる第二新卒)までの人は「新卒応援ハローワーク」、障がいを持っている方は精神障害や身体障害を問わず「障害者窓口」という形で、様々なニーズに対応しています。
いずれの窓口にも専門スタッフが配属されています。就職支援を始めとして、キャリアコンサルティングや会社の情報収集など、仕事に関わることであれば、何でも気軽に相談できる場所です。窓口の名称など、各施設によって細かな違いがある場合もありますが、受けられるサービスは全国共通です。
また、「わかもの支援コーナー」は、「わかものハローワーク」という就職支援機関にも設置されたサービスです。こちらについては、以下の記事で詳しく解説しております。
ハローワークは怖い?ニートだと説教される?
あなたはハローワークに次のような不安を抱えていないでしょうか?
「やっぱり怒られそうで怖いな……」
「ニートの自分にできる仕事なんてないんじゃ……」
私も実際にハローワークを利用して就職した経験があります。その経験を通して、私が最初ハローワークに持っていたイメージは、実際に就職する頃にはずいぶんと違うものになりました。
ハローワークの実態について紹介していきます。
ハローワークの雰囲気はどんな感じ?
「国が運営している機関」と聞くと、堅苦しそうな印象を持ってしまうかもしれません。ですが、実際には20代の若者から40~50代の壮年の方、就職を検討している主婦の方など、あらゆる層の人が利用しています。若者もたくさん利用していると聞くと、「少し敷居が高いのかな?」というイメージが改善されませんか?
私が初めてハローワークを訪ねた時は、他の求職者の方や仕事をする職員の声なども聞こえてくるため、意外と活気に溢れた場所という印象もありました。
ハローワーク職員に説教されない?
私は引きこもりニートからの再就職や転職をする際、ハローワークを利用し続けてきました。窓口では合計で10人以上のハローワーク職員と会話しています。そのような中で、態度や対応が悪い職員は一人もいませんでした。実際、ハローワーク利用者の声にも「職員が優しかった」というものが多いです。
ケースバイケースではありますが、中には「就職や仕事の相談があればメールして大丈夫だよ」と名刺を渡してくれる、頼れるハローワーク職員もいるようです。
しかし、人と人のやり取りになる以上、職員との相性が悪いと感じる場合もあるでしょう。
また、ハローワークは国が運営する機関であるため、民間企業と比較するとサービスの質を向上させるという点に積極的ではありません。そのため態度や対応が悪い職員も一定数存在するのは事実で、中には「説教された」という声もあります。 そのような職員とやり取りするのが苦痛となっている場合は、窓口に直接お願いすることで担当職員の変更が可能です。
ニートの自分にできる仕事なんて見つかるの?
ハローワークにはニートで就職が初めてという人でもOKな求人が多数掲載されています。 様々な業種の中から、アルバイトや派遣社員、正社員といった雇用形態に加え、勤務時間などの条件を付けて求人を探すことが可能です。 転職エージェントよりも多くの求人を抱えるハローワークは、地元の就職に強いメリットもあります。
また、ハローワークの出している求人の中には「トライアル雇用求人」というものがあります。
トライアル雇用とは、就労経験が少ない人や未経験業種へ挑戦したい人を支援する国の制度です。原則3か月の試験雇用期間が設けられており、その期間で業務スキルを習得することができます。 トライアル雇用には「仕事の内容がイメージと違う」といった事態を防ぎ、確実に仕事を定着させる目的があります。
少しネガティブな話になってしまいますが、ニート期間が長ければ長いほど選考で不利になってしまうのは事実です。
しかし、2023年時点での有効求人倍率は1.29倍というデータがあります。有効求人倍率が1を超えている状態は、人を採用したいと思っている企業が、求職者より多いことを意味します。 そのため、現在は求職者が就職しやすい環境であると言えます。
ハローワークの利用や職員との相談、求人への応募に回数制限はないため、あきらめないことが何より大切です。
ニートが初めてハローワークを利用するまでの流れ
ハローワークを始めて利用する場合でも、それほど面倒な手続きはありません。
ハローワークの初回利用手続きは以下の通りです。
- 受付窓口にハローワーク利用が初回であることを伝え、「求職申し込み書」をもらう
- 「求職申し込み書」を記入して、受付窓口へ提出する
- 30分ほどで「ハローワーク受付票」が発行される
ハローワークの混雑具合などによって手続きに待ち時間が発生するため、時間には余裕を持って行きましょう。
求職申し込み書に記入するのは主に以下の内容です。
- 氏名、性別、年齢、生年月日
- 現住所
- 最寄り駅
- 希望職種(雇用形態、仕事内容、希望する給与額、希望する勤務時間や勤務地も含む)
- 学歴
- 持っている資格とスキル
ハローワークに行く前に内容を整理しておくとスムーズに記入できます。これらの内容は履歴書を書く際にも必要になるため、準備して無駄になることはありません。
ハローワーク受付票が発行されると、求人検索や職業相談、企業への応募が可能になります。2回目以降ハローワークへ行く際は、必ずハローワーク受付票を持って行きましょう。
ニートがハローワークを利用する際のポイント
ニートがハローワークで可能なことは、主に以下の通りです。
- 求人の検索と応募
- 求職活動の進め方に関する相談(面接対策や履歴書添削も含む)
- 職業訓練の案内
- 失業保険などの各種手続き
まずは、職探しにブランクがあるあなたに「求人検索の際のポイント」と「求職活動のポイント」を解説します。
求人検索のポイント
ハローワークで気になる求人を見つけた場合は、求人票の情報だけを信用するのではなく、会社のホームページを閲覧し、ハローワークの担当者に一度相談することが大切です。ハローワークへの求人掲載は無料で行えるため、初めて聞く名前の中小企業の求人も多くあります。
ハローワークのフォーマットで出されている求人票も、正直わかりにくいデザインです。私も初見の時は、求人票の読み方がわからず困惑した経験があります。
企業名や所在地、連絡先はしっかり記載されていますが、肝心の仕事内容がざっくりとしか書かれていないことがほとんどです。給与面に関しても、「20万~50万」などと額面にかなりの開きがある記載がされた求人も少なくありません。
企業のホームページでは違った条件で求人募集がされている場合や、職場の雰囲気、より詳細な仕事内容を確認できる場合も多いため、情報収集は忘れないようにしましょう。
また、気になった企業名をハローワークの担当職員へ伝えると、職員が企業へ電話をしてこちらの疑問を解決してくれます。私は過去に、「残業は基本なしと記載がありますが、本当ですか?」などの質問をお願いしたことがあります。
自分では確認しにくい内容も質問できることは、ハローワークの大きなメリットです。
求職活動のポイント
求職活動は基本的にすべての作業を自分主導で行う必要があります。 ハローワーク担当者も職業相談や履歴書添削、面接対策などを行ってくれますが、これらはあくまでもサポートであるため、すべての面倒を見てもらうことはできません。
求職活動の時は、これから紹介する流れを意識してみてください。
1. 自己分析を行う
・どんな経験があるか(勉強した事、趣味で持っているスキル、仕事経験など)
・今できることは何か
・これからやりたいこと(資格取得なども含めて)
やれること、やりたいことが明確になるとどのような職種に就きたいかも見えてきます。
2. 応募する企業の条件を決める
・こだわる条件は何か(勤務地、金額、休日の日数など)
・こだわる条件の中でも、妥協できる条件はあるか
自分の希望条件とすべて合致した企業に巡り合えることはほとんどありません。こだわる条件に優先度をつけることで、実際に応募したい企業が明確になります。
注)今回の記事で「失業保険」に関する詳しい解説は行いませんが、あなたが就職を果たした後、様々な理由で離職する場合もあるでしょう。
そのような時、加入していれば一定の期間お金を受け取れる制度が失業保険になります。失業保険のことを頭の片隅に入れておけば、万が一の際に役立つことがあります。
確実な脱ニート方法「職業訓練」
先述したハローワークでできることの中には、「職業訓練の案内」という項目がありましたね。職業訓練は国が行う就職支援のひとつで、就職に役立つスキルの学習や資格の取得が可能です。
受講料は基本無料(一部のコースは有料)ですが、授業に必要なテキスト代は自己負担となります。
受講にかかる期間はコースによって様々ですが、3~6ヶ月というコースが一般的です。中には1週間程度で終わるコースや、最大で2年かかるコースもあります。
職業訓練には以下の3種類があります。
- 公共職業訓練
- 求職者支援訓練
- 在職者訓練
あなたが現在ニートの場合、特に「求職者支援訓練」がオススメです。求職者支援訓練とは、ニートや定職に就いていないフリーターを対象とした職業訓練です。
求職者支援訓練の対象者になるためには、以下の要件に当てはまる必要があります。
・仕事をしていない人(アルバイトの場合、週20時間未満であれば対象になる)
・現在ハローワークで求職活動をしている
・労働の意志や能力があること
・フルタイムでの就労を希望する人
職業訓練で学べる代表的なスキルは以下の通りです。
・パソコン系(Word、Excel、PowerPoint)
・機械、ものづくり系(CADによる設計、図面の作成、製品の加工)
・経理系(企業会計の知識、簿記3級・2級対策)
・IT系(Webデザイン、プログラミング)
・介護、福祉系
求職者支援訓練を受ける場合「世帯全体の収入が30万円以下」の条件を満たしていれば、訓練期間中は毎月10万円の給付金を受け取ることができます。金銭的な支援を受けながらスキルアップが可能です。
また、脱ひきこもり・脱ニートは、体力づくりをすることでより進めることができます。体力づくりに関しては、以下の記事で詳しく解説しております。
まとめ
- ハローワークは引きこもり、ニート問わず仕事を探している人すべてが利用できる
- ハローワーク職員の大半は親身に対応してくれるため、怖がる必要はない
- ハローワークでは、求人探しと企業への応募以外にも、職業相談や面接練習などが可能
- スキルを身に着けて働きたい場合は、職業訓練のうち「求職者支援訓練」の利用がオススメ
今回の記事では、ニートや引きこもりの方に向けたハローワークの利用方法を解説しました。
私自身、過去に何度就職しても仕事が長続きせず、働くことから逃げ出して引きこもりのニート生活をしていました。もしあなたが同じような状況にいるなら、それは私にとって他人事ではありません。
そんな時に私が出会い、就職に向けて一歩を踏み出すきっかけとなった言葉があります。
「ひとつでも前に進もうと思うその気持ちが、まず一歩前に進んでいるから大丈夫」
この記事が、少しでも前に進みたいと思うあなたの背中を押すものとなることを祈っております。