収入がないニートの方は、将来に対する不安が尽きないと思います。なんとか現状から脱出しようとする中で、漠然と「公務員になって安定した生活がしたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。
しかし、公務員を目指す上で次のような不安はありませんか?
「ニートから公務員になるのは難しいよな……」
「職歴がないから不利になりそう……」
実際は、公務員試験の年齢制限さえクリアできれば、現在ニートの方でも公務員になることができます。あなたもこの記事を読んで準備を整え、社会復帰への一歩を踏み出しましょう。
- ニートから公務員になることは可能なのか
- 公務員試験の条件や倍率はどうなっているのか
- ニートが公務員を目指すメリットとデメリット
- ニートが公務員になるための勉強方法や試験対策
以上を解説しています。
ニートから公務員になることはできる?
結論から言いますと、ニートからでも公務員になることは可能です。公務員の種類にもよりますが、学歴や職歴が必要ない仕事もあります。ただし、公務員になるためには「公務員試験」に合格する必要があります。公務員試験には年齢制限が設けられているため、あなたの年齢によっては公務員になることを諦める必要があるでしょう。
まずは、ニートの方が公務員を目指す上で最初に知っておくべきポイントを紹介します。
職種選びが重要
公務員と一口に言ってもいろいろな職種があります。大きな分類としては、国家公務員と地方公務員の2種類があります。国家公務員は国家機関などで働く人のことを指し、国全体に関わる仕事を行います。国家公務員試験の多くは、とても難易度が高いです。
一方、地方機関で働く公務員は地方公務員と呼ばれ、県庁や市役所の職員などがこれに該当します。細かい職種ごとにも試験の難易度は大きく異なるため、まずは自分に合う仕事を見つけることが大切です。
30代以上のニートでも公務員になれる?
先述のように、公務員試験の受験には年齢制限があります。具体的な年齢は試験によって異なりますが、基本的に「30歳まで」と定められていることが多いです。中でも国家公務員の試験は30歳が上限になっていることが多いため、30歳以上の方が今から国家公務員になるのは難しいでしょう。
一方で地方公務員の場合は、35歳〜39歳まで試験を受けられる自治体もあります。地方公務員であれば、30代から目指すことも不可能ではありません。
公務員試験とは?受験の条件や倍率は?
公務員になるには、公務員試験を受験して合格しなければなりません。一般的な企業とは違い、コネなどで採用されることがないため、すべての人が試験を受けます。
公務員試験の受験は無料で、日時が異なれば複数受験することもできます。また、試験により受験資格は異なりますが、中卒や高卒の方も受けることができます。
公務員試験の内容や細かい条件について確認していきましょう。
公務員試験ではどんなことをする?
ほとんどの公務員試験では、第一次試験で「筆記試験」、第二次試験で「人物試験」が実施されます。
筆記試験では、主に中学や高校までに習う一般知識のほか、読解力や倫理的思考力といった能力が求められます。また時事問題が出題されることもあり、社会で起こっている事象に興味を持ってしっかり勉強してきているかどうかを試されます。
人物試験は、簡単に言うと面接試験です。個別や集団での面接、グループワークなど複数回の面接を実施する自治体もあります。
さらに、これらに加えて専門試験が行われる場合もあります。受験する区分によって出題される問題も異なるため、受験区分に応じた勉強をしておきましょう。
受験の条件は?
年齢制限
主に高卒程度の試験では20代前半、大卒程度であれば30歳前後までの方に受験資格があります。経験者採用の場合は、上限がないこともあります。
学歴
ほとんどの公務員試験は「高卒程度」「短大・専門卒程度」「大卒程度」と分けられています。しかし卒業していることが条件ではないため、中卒の方も試験を受けることができます。
資格
専門職の場合、自治体により必要資格が定められていることがあります。職種が同じでも、受験先によって必要な資格の有無が異なる可能性があるため、注意が必要です。
身体的条件
消防官・警察官・法務教官・皇室護衛官・航空管制官などの公安系職種の試験では、身長や体重、視力、体力なども試験に含まれます。
難易度や倍率はどれくらい?
公務員試験の難易度は職種によって異なります。最高難易度と言われている国家総合職の受験倍率は10倍ほどで、市役所試験では30倍を超える場合もあります。
試験が難しいからといって倍率が高いわけではありません。年齢制限がとても高い自治体では、受験人数の多さに対して採用人数が少ないため、倍率が高くなっていることがあります。
職歴なしのニートが公務員を目指すメリット・デメリット
公務員として働くことは、必ずしも良い部分ばかりではありません。
自分に合った働き方を選択するためにも、ニートから公務員を目指すメリット・デメリットを確認していきましょう。
メリット
- 失業することがない
- 業績や景気によって収入が変わらない
- 収入を見通しやすい
- 保障・福利厚生がしっかりしている
- 国や地域に貢献できる
失業することがないのは、公務員になる一番のメリットです。これだけで目指す理由になり得るでしょう。
また、一般企業では業績や景気によってボーナスが左右されたり、昇給・昇進の条件が明確にされていなかったりと、どれだけ稼げるか予想することが難しい場合もあります。他方で公務員は収入が安定しているため、将来の見通しが立てやすいでしょう。
さらに、ボーナスや退職金が確実に貰える、最大3年間休職することができる、住居手当や公営住宅を使えるなど、保障や福利厚生もしっかりしています。
公務員は、仕事を通して国や地域に貢献することもできます。地元が好きな方は地方公務員として地元で働くこともオススメです。
デメリット
- 異動が頻繁にある
- 古い仕事の仕方がある
- スキルが低い人もいる
- 忙しい職場もある
- 辞めづらくなる可能性がある
公務員は異動が多く、中には3年周期で異動する職業もあります。「経験を積み、せっかく職場に慣れてきたのに、他の職場へ異動させられてしまう」といったケースも考えられるでしょう。
また、仕事ができない人も働き続けることができるので、スキルが低い人が同僚や上司になることもあります。昔ながらの仕事のやり方を続けている職場も多いため、効率よく業務を進めたい方はイライラすることがあるかもしれません。
職歴なしのニートが公務員になるための勉強方法
公務員になるためには、まず公務員試験を通過するための勉強が必要です。 公務員試験に向けた、一般的な勉強方法を2つ紹介します。
独学で勉強する
公務員を志望する方の中には、独学で勉強する方も多いです。独学には、自分のペースで学習できることや、お金がかからないことなどのメリットがあります。
ただし、1日10時間ほどの勉強を毎日続ける必要があるため、相当な覚悟や努力が求められます。また、分からない部分があった際もひとりで解決しなければなりません。
予備校に通う
予備校に通うという選択肢もあります。予備校では、勉強はもちろん面接などの試験対策までサポートしてくれるので、独学より効率的に進められるでしょう。
その反面、お金もそれなりにかかってしまうため、金銭的な余裕のある方にオススメです。
職歴なしのニートの公務員試験対策
ニートから公務員試験に合格するには、試験対策が重要です。 どうすれば公務員試験を切り抜けられるかを解説するので、ぜひ参考にしてください。
試験日時を調べる
公務員試験は日時が被らなければ複数受けることができるため、どの職種の試験がいつ行われるかを知る必要があります。
ほとんどの公務員試験の日程は決まっており、年2回実施されるものもあります。受験までの計画を立てるためにも、試験日時は事前にきちんと把握しておきましょう。
筆記試験の対策
筆記試験には、主に以下の4つがあります。
- 教養択一
- 専門択一
- 教養記述(論文・作文)
- 専門記述
教養択一試験は、政治、経済、日本史、物理などの一般知識と、数的処理や文章理解が問われる一般知能で構成されています。 専門択一試験は法律系科目や経済系科目、行政系科目が問われる試験です。すべての分野や科目が問われるわけではなく、出題数が異なる場合や、選択制の場合もあります。
教養記述試験は一般的なテーマに対する、専門記述試験は憲法や民法などの専門的なテーマに対する記述式の試験です。
こうした試験にきちんと対応できるように、それぞれの内容に合わせた勉強を進めましょう。
人物試験の対策
人物試験では、面接が行われます。面接は自分の人柄や意欲をアピールする重要な試験です。 ニートから公務員を目指す場合、必ず空白期間に何をしていたか聞かれるので、うまく答えられるように準備することが大切です。
面接でニートの空白期間について聞かれた際の対応方法は、以下の記事で詳しく解説しています。こちらも参考にしてください。
まとめ
- ニートからでも公務員を目指すことができる。ただし、公務員試験には年齢制限があるため、30歳を超える方は注意が必要
- 公務員試験では、主に筆記試験と人物試験の2つが実施される。試験の難易度は職種によって大きく異なるため、自分に合った仕事を選択することが大切
- 公務員には「失業しない」「収入が安定している」「福利厚生が充実している」といったメリットがある一方、「異動が頻繁にある」などデメリットも存在する
- ニートが公務員になるには、筆記試験と人物試験それぞれに対応できるように準備しておくことが重要。勉強方法は独学のほか、予備校に通うのもオススメ
公務員試験は、学歴や職歴関係なく受験することができるため、ニートからでも公務員を目指すことができます。
何より重要なのは、きちんと情報収集をして自分に合った公務員の職種を選択し、試験に向けて念入りに準備をすることです。そうすれば、現在ニートで苦しんでいる方も、安定した生活を実現することができるでしょう。
職歴なしからの社会復帰については、以下の記事でも詳しく解説しておりますので、あわせてお読みください。